4月28日 読書会 池澤夏樹『スティル・ライフ』

 四月も末を迎え、桜も姿を消して初夏の兆しが見え始めた今日この頃、みなさまにおきましてもようやく新たな春の生活にひと段落がつき始めた頃ではないでしょうか。こちらではご無沙汰しておりました、生駒です。

 本日、木曜会では新歓読書会の最終回として、第98回芥川賞を受賞した、現代日本の純文学の名作、池澤夏樹スティル・ライフ』を扱いました。会外からは大学も学年も様々な4人(うち3人が初参加)の方がお越しくださり、担当者としてはうれしい限りです。
 詩的世界と物質的な物語世界が、内容上でも構造上でも見事に両立しているこの作品ですが、「具体」と「抽象」の世界を結びつける「星を見る視点」という考え方に基づいて話を進めさせていただいたところ、〈ぼく〉や〈ぼく〉から見た佐々井像について、参加者の方々から実に様々な意見をいただくことができました。中には担当者がまったく気付かなかった解釈を提示してくださったり、担当者とは違った側面から作品を読んでいた方もいらっしゃったりと、個々人の読み方の違いが非常に面白く、お互いに刺激になる会であったのではないかな、と思っております。

 来週の5日(木)は祝日のため、木曜会の活動はおやすみいたしまして、次回の新歓は12日(木)、中村文則『掏摸』の座談会となっております。課題本は長編小説ですが、参加を考えていらっしゃる場合はゴールデンウィークなど使ってお読みいただければ幸いですし、見学だけの方ももちろん大歓迎です!
 当日は18:00から18:30まで、京大正門のクスノキ前で看板を持ってお待ちしております。ご質問などありましたら、以下のメールアドレスにお気軽にご連絡ください。
 新歓活動も残り3回と相成りましたが、会員一同、引き続きみなさまにお会いできることを楽しみにしております!

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