4月8日 新歓読書会 「山月記」

こんにちは。会長の夏目です。
桜の花も盛りを過ぎて、大学構内は散った花弁と数限りない自転車(普段より増量気味)でいっぱいです。
はてさて。

私が担当した第一回新歓読書会、中島敦の「山月記」について報告させて頂きます。
かなり日にちがあいてしまい、申し訳ありません。

読書会は吉田構内の一室にて開催されました。まずはいつも通り、会員と参加者の簡単な自己紹介からはじめさせて頂きました。木曜会がどんな活動をしているか、などを少し説明してから、いよいよ読書会となります。
今回担当した「山月記」は、実は私は過去に一度読書会で担当したことがあります。前回は、「古譚」という作品群との関わりの中で「山月記」を考えていくというものでしたが、今度は少し趣向を変えて、典拠となった「人虎伝」のストーリーを参照しつつ、「山月記」との共通点・相違点を見ていくという流れにしてみました。

参加者との話し合いでは、「人虎伝」を踏まえて、なぜ「山月記」というタイトルになったのだろうかという議論があった他にも、作中に登場する発言「李徴の詩に何か足りない物」は何なのか、という議論などがなされました。
特に、新入生の参加者の方がこの作品について思うところを話してくださったことが、個人的には嬉しかったです。

小説を「読む」という行為はひとりでも出来ることですが、他の人の意見や感想を聞くことで、自分では気付かなかった視点や世界が見つかることがあります。そうした面白さがあるのがこうした読書会の醍醐味のひとつでもあると思います。
是非、その楽しさを少しでも感じていただけるような、そんな読書会にしていきたいものです。
参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

次回は谷崎潤一郎の「春琴抄」です。
興味を持たれた方は、ぜひぜひご参加くださいませ。それでは。