12月3日 新歓読書会 内田百輭「東京日記」

長崎です。
とうとう1年の終わりも近づいてまいりました。京都の底冷えに震えつつも、先日の読書会について報告しようかと思います。

新歓読書会ではありますが、残念なことに見学の方はゼロ、会員5人での開催となりました。
今回扱った内田百輭「東京日記」は、怪奇や幻想小説の色が濃い作品となっており、感想でもその雰囲気をしっかりと醸し出している筆力について賞賛する声もありました。
読書会の流れとして、連作掌編の作品を「異界との近接」と「同居」というふたつに分け、特に前者からは「死」のにおいがしているという点から、個々の作品のもつイメージを読んでいきました。
会員からは、時間の停滞している感じが「死」のイメージを生んでいるという指摘やその十一が上下に分かれていることの意義について様々な意見をもらうことができ、これを元に再度読み解けるように努めていきたいと刺激を受ける読書会にもなりました。

さて、秋の新歓も残すは2回となりました。
来週12月10日(木)はクライストの「聖ドミンゴ島の婚約」(河出文庫『チリの地震』収録)の読書会を行います。
木曜会に興味のおありの方、この本が好きな方、本の感想を交換したいという方などなど、お気軽にお越しください。
当日18時から18時半まで、京大正門入ってすぐのクスノキ下でお待ちしております。