12月10日 クライスト 「聖ドミンゴ島の婚約」読書会

網谷です。12月10日に秋新歓の一環として、「聖ドミンゴ島の婚約」読書会を行いました。新歓と銘打っておきながら残念ながら会外からの参加者はゼロ。寂しさは否めませんでしたが、話は盛り上がり読書会としては質の高いものになったと思います。具体的には、作中でのトーニの心情を中心に作品を読み進めていくことになりましたが、私の想定とは異なり、トーニの愛を疑ってしまったという意見がちらほら聞かれました。個人的には、そこまで穿った読み方をする必然性は感じられず、トーニの無償の愛と、グスタフの受動的な愛がすれ違うところにこの作品の主題が見出せるのではないかと思われるのですが……。いずれにせよ、多様な読み方が提示されるのが読書会の醍醐味でもあります。まだまだ私自身も詳しくはないのですが、クライストという作家はその生涯も、残した作品も非常に興味深いので皆様も機会がありましたら是非、読んでみてください。
さて、木曜会は12月17日にも秋新歓を行います。内容といたしましては、先月のNFで販売した芥火最新号の合評ですので、その冊子をお持ちの方はご一読のうえ、18時頃にクスノキ下にいらしていただけましたら幸いです。もちろん手ぶらで飛び入り参加の方も大歓迎です。会員一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。